空の下を歩く

旅と日常。空の下を歩きましょう。胃がん闘病記としてはあまりお役にたてないかも。

発覚までのこと

 

 

 病気の発覚についての覚え書き。

昨年秋口くらいからなんとなく背中に違和感があった。11月の会社の健康診断では、胃のレントゲンを撮ったが異常なしとされる。

それでも右側背中の違和感がぬけない。痛いのではなく、後ろからぎゅっと背中の中に手を突っ込まれているような、そんな嫌な感じ。胃の痛みや胸やけはほとんどないが。

母がすい臓がんで闘病中なので、そのあたりも気になった。

皮膚科でかかっている中規模の病院に行って内科を受診し、背中のことを言うと

「レントゲンで異常がなかったのなら、すい臓かな?エコーで診てみましょう」とのこと。予約が取れたのが年末で、休みをとって受診・検査してきた。

 年が明けて、結果を聞きに行った。異常なし。念のために受けた血液検査も腫瘍マーカー膵臓)も異常なし。「症状が続くなら、一度内視鏡を受けた方がいいですね」との医師のお話。この時点でさっさと内視鏡検査の予約をすればよかったのだが、仕事の休みが取れなかったことや、実家に行く都合などなどで結局2月になってしまった。

 2月なかば過ぎ、内視鏡検査を近所の医院で受けた。小さな医院だが設備が揃っていて、「かかりつけ医」としてお世話になっているところである。検査の後、先生から「胃潰瘍がある。それと組織を4つくらいとって生研に回しますから」とのお話。ピロリ菌に関しては疑陽性(?)。カラーマーカーが微妙な色だった。念のため、一週間ピロリ菌を殺菌する薬を処方してもらう。

生研の結果は電話でも聞けるとのことだったので、一週間後くらいに電話をした。

その際の先生との会話

「ああ、ちょっとね。よくないものがあったようでね。一度大きい病院で精密検査を受けた方がいいですね」

「え?まさか癌ですか?」

「ううん、まあそうですね」

なんとまあ、あっさり。私も思ったより愕然とはしなかった。ショックだったけど。

次の日、休みをとって朝から医院へ詳しい話を聞きに。

組織検査の結果表にははっきりと「中~低分化せん癌」と書いてあった。はあ。

泣いたりはしなかったけれど(いくぶんかの覚悟ができていようだ)、やはり普通の気持ちではいられなかった。

死ぬとかそういうことは思わなかった。切れば治るだろうとは思ったので。

でも、動揺していたのか、お昼から会社へむかう電車の中でお気に入りの傘を置き忘れてなくしてしまった。