空の下を歩く

旅と日常。空の下を歩きましょう。胃がん闘病記としてはあまりお役にたてないかも。

気持ちを支えるもの

 連休も終わりました。次女夫婦もいったん帰り、また静かな一日となりました。孫ちゃんが来ているのは楽しいのですが、ずっと一緒にいるのもちょっと疲れてしまいます。

「去(い)にてよし 来てよし 孫の夏帽子」という俳句があります。(作者名を失念しました)

 昔、母に「こんな句があるよ」と見せたら(確か新聞に載っていたのではないかと思います)、「ああ、これはよくわかるわ」と言っていたのですが、今になって私も実感しています。孫たちはかわいいし、いっしょに遊ぶのもご本を読むのもお出かけも楽しい。でも、それがずっと毎日だとちょっと疲れるなあ。自分の生活ペースを大事にしたいから。時々遊びに来てくれるくらいがちょうどよいです。娘たちの子育てには基本的に口を挟まないことにしているので、なおさら、ね。

 ただ、今回は私の手術・入院後のヘルプに、また次女が来てくれることになっています。感謝!ありがたいことです。

 

 結婚して30数年経ちました。長年の社宅住まいを卒業してやっと自分たちの家を持つことができ、夫婦ふたりの気楽な生活がペースに乗ってきたところです。4人のこどもたちはそれぞれ結婚して独立。教育費と家関係のことで、ずっとずっとマイナス家計だったのが近年ようやく一息つけました。自由に旅行などに行くようになったのもここ数年です。だから、もう少し、自由に遊びたい、いろいろなところへ出かけたい!

 の、矢先に胃がんとは・・・なかなか思うようにならないものです。しっかり治して、また旅行記をアップできるようになるぞ!それが今の私の気持ちを支えているひとつです。

 

スペイン トレド(2016年秋)

 


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連休

 

 連休ですね。休職になったから、ずっと連休なんですが(^^;

次女夫婦が孫ちゃんを連れて泊まりに来ているので、それなりにGWっぽく過ごしてはいます。先日は「市原ぞうの国」に行ってきました。千葉県の市原市の山の奥にある、小さな動物園です。ぞうさんがたくさんいます。

 

 

 

 ぞうさんのサッカーです。飼育係さんはみな、タイのかた。

器用に鼻でボールをキック!なかなか楽しかったです。

 

 らくださんもいます。背中に乗れるのですが、孫ちゃんは怖がって乗りませんでした。

 お天気も良く、のんびり楽しい一日でした。

市原ぞうの国」東京からもそれほど遠くないです。あまり混んでいませんし、おすすめです。

 

仕事最終日

 本日をもっていったん休職。正確には残っている有給休暇をすべて消化して、それ以降は休職という扱いになる。

 末日絞めの請求やら、月次の提出書類やら、1日は月初の一番忙しい日だと言うのに(私は事務方で、請求データを作って本社経理部に流したりしている)わざわざ、本社へ来い、とのお達しあり。えー。

 当社はガテン系業種の中小企業。オーナー社長のワンマン経営で、業績はそこそこ悪くはないものの、社長のワンマン度が過ぎて、筋が通らないことでもそれに対してきちんと意見を言える役員などは皆無。平たく言えば、上層部はイエスマンとご機嫌取りの得意な人間ばかりである。だから、若手や中堅の仕事のできる人間は次々に辞めていく。それを引き留めない。「社風に合わない人間はいらない」そうである。だから在籍10年超の社員は1割いるかどうか(私もその一人だけど)。

社長がパソコンが嫌いだから(今時!今時!ありえないでしょう)、本社と支社間のデータのやり取りはほぼファックス。コピー用紙の使用量とファックスの送信カウントは半端ない。「紙はどんどん使うように」という時代錯誤の「地球に優しくない」会社なのである。もちろん、パソコンは使っているし、業種専用のシステムソフトも導入されていて、対外的には普通の会社に見えるが、内情はパソコンで作ったデータをわざわざ手書きして社長に報告をさせられるという二度手間、時間の無駄を強要されている。(そのくせ「無駄取りコストダウン委員会」みたいなものが作られている。わけがわからない。ファックス止めて本社支社間のオンラインのやりとりで済ませればいいのに。)

 

 閑話休題。わざわざ本社に行かなければならないのは何事かと思えば、休職手続きと健康保険の傷病手当金の説明だった。人事部がないので、支社担当の部長からの説明。もっとも苦手とする部長なので(パワハラで有名)、ICレコーダーを用意して身構えていったのだが、なんということもなく「お大事に」で終わった。ほっとした。

ICレコーダーなんて大げさな、と思われるかもしれないが、いやいやブラック企業の端くれを誇る会社、何が起きるかわからないので念のため(無許可で録音しても民事ではちゃんと証拠となるそうな)。

 支社に戻り、残務の整理と引き継ぎをして、ロッカーと給湯室においてあった私物をまとめて、それではまたね、と皆さんに挨拶した。支社は支社長はじめ皆いい人でとても働きやすい。私が一番の古株なのだが。

「頑張ってね」「お帰り待ってますよ」と声をかけられて嬉しかった。少人数なので、病気のことは皆知っている。支社長がわざわざ玄関の外にまで出て見送ってくださった。I'll be back!

さあ、いよいよだ。緊張する。頑張るぞ。

 


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母に会いに

 週末、実家に帰ってきた。新幹線で数時間。

母は膵臓がんを患っている。手術からもう2年になる。予後が悪いと言われる膵臓がんだが、80歳をいくつか過ぎても頑張っている。前向きなひとだから、がんもなかなか進行しなかったのかも知れない。ただ、もう抗がん剤はやめた。肺にも胃にも転移している。そういうことだ。

 同じ市内に、私の妹と弟夫婦が住んでいるので、任せっぱなしである。心苦しいがどうしようもない。私ががんになってしまったから、なおさらだ。特に妹が中心になってケアマネージャーさんや訪問看護師さん、がんセンター及びかかりつけの医師などと連携をとって、いろいろしてくれている。本当にありがたい。

 母の体調が比較的良かったので、妹と3人で海の見えるレストランに食事に行った。家では二人で紅茶を飲みながらいろいろ話した。母は楽しそうだった。私も楽しかった。 

 実は母が苦手だった。母は言葉のきつい人で、私は若いころからずいぶん衝突してきた。子供のころは叱られてばかりだった。大学に合格して、実家から脱出できることがうれしかった。結婚に反対され、結局母は折れたが、式の当日まで口喧嘩した。私の夫ともしばらく折り合いが良くなかった。本当は愛情深く、ずっと心配してくれていたことはわかっていたが、きつい言葉を言われると言い返してしまいたくなり、それが疲れるから距離を置きたくなったりした。

 時を経て、ここしばらくは穏やかな関係が続いている。我が家は昨年長い社宅暮らしに別れを告げてようやく「マイホーム」を持つことができたのだが、それをことのほか喜んでくれた。私の夫についても、昔のように文句を言うことはなくなり、私たち夫婦が仲がいいことを喜んでくれている(父はとても自己中心的な人間なので、母はずっと苦労してきた)。「あんたは旦那さんとこどもたちに恵まれたね。良かったね。」と言われた。

 別れ際、めったにしないハグをした。私より背の高い母だったが、すっかり痩せて小さくなっていた。5月に私は入院して手術。もしかしたら、これが今生の別れになるかもしれない。涙が出た。母にも父にも、私のがんのことは話していない。とても話せない。母が一日でも長く、苦しくなく過ごしてくれるよう願うばかりだ。


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仕事復帰(一時的)

 タイトルの通り。今週からしばし仕事復帰。胃潰瘍が治って元気いっぱい。どこががん患者だ、というくらい。ただし、早朝からの遠距離通勤90分はつらいので(当社は8時始業)、時短勤務にさせてもらっている。おかげで睡眠時間がしっかり確保できてありがたい。

 机の上は書類と伝票の山だったが、ひとつずつ片づけていくと、思いのほか楽しさまで感じてしまった。上司には、「なんか生き生きしてるね」とあきれられるほど。専業主婦もいいけれど、やっぱりもうしばらくは仕事をしていたいなあ。(病気発覚までは、早く専業主婦になりたい~などとぼやいていたのにね)。

 手術まではあと一か月。半月入院として、その後最低一か月くらいは自宅で体調を戻すようにしなくてはいけないだろうとみているのだが、果たしてそれで済むだろうか。休職して、もどったら席があるのかしら。不安ではある。きっと会社員でがんになってしまった人は多かれ少なかれ思うことなのだろう。経済的な問題は切実だ。子供たちはみんな独立し、夫婦ふたりだけの生活だから、状況的にはまだ恵まれているのかもしれないが。

 週末は新幹線で実家へ行く予定。母はすい臓がんの末期である。私の病気のことは父母には話していない。とてもとても話すことはできない。


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入院前の指導など

 今日は麻酔科の事前説明と、呼吸リハビリの指導と説明。先日は口腔外科の診察、病棟の看護師さんからの説明があった。最近の入院は事前準備が手厚いのだなあ、と感心した。看護師さん、お医者さん、理学療法士の方、みんな優しい。ほっとする。

 入院に向けて、適度な運動と呼吸リハビリの練習(器具を使う)をするように言われた。元気なので、会社に通勤するのはちょうどよい運動になりますね、と理学療法士さん。良かった。

 来週から2週間、職場復帰。今は人手が足りないから助かる、と言われるけれど、果たして2か月休職した後に、私の仕事はあるのだろうかと少々不安になる。まだまだ働きたいし、働かなくてはいけないからなあ。はてさて。

 


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(胃)がんの本 その3

 今日も読書。昨年買った本。母がすい臓がんで闘病中なので、それで買ったもの。今、自分のこととして読み直すとまた別の感想がある。

 腫瘍内科の医師が書いたものなので、基本は進行がんと抗がん剤についてのことだから、まだわが身のこととしては考えられない。もしかしたら未来に(近いか遠いかはわからないが)この本をまた読み返さなければならないことになるかもしれないが。

 「その2」でとりあげた本もそうだが、「人は(がんを原因とせずとも)必ず死ぬものである。ならば、生きていられる時間をより良く生き、本来の寿命に近づけるためにはどうするか」というのが基本の考え方だ。私はこれらの本で、がんに対する先入観が少し変わったと思う。なんというか、少しほっとしたような、うまく言えないが、頭から悲嘆にくれる必要はないのではないかと感じた。(今はまだ早期との診断だし、手術自体もまだ受けていないのだからの感想なのかも知れない)

 

がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う「HBM」のすすめ―

がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う「HBM」のすすめ―

 

  がんに関する本は数えきれないほど出ています。考え方、論調もさまざまです。

通販の但し書きではありませんが、個人の感想なのであしからずご了承ください。

 


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