落ち着かない
妄想。海外移住。夫の海外赴任にくっついていく。
昨年は一時期、そんなことを考えて海外生活についていろいろ調べたりしたのだ。もちろん、空想生活である。海外赴任はやっぱりなくて(いや、まったくゼロパーセントではなかったのだが)、こうしてここにおります。
予想もしなかった病気の発覚。これこそ妄想であってほしいよね。
通販のカタログを見ても、あ、この先サイズわからないから買わない、とか、会社に行かないから必要ないとか。無駄なお金が出ていかないのはいいけれど、生活のいろいろな場面で制限がかかっているのを感じてがっかりする。
旅にも当分行けそうにないし(それどころじゃない!と経験者の方には叱られそうだ)、Google map で旅の足跡をなぞったり、旅の本を読んでは、また落ち込んだりしている。
いやいや、手術して治療が始まったら、こんなノーテンキなことは言っていられない、だろう。(そのくらい想像はつく・・・)ひたすら落ち着かない日々。
ラジオ語学講座、今日から聴き始めました。中国語、さっぱりわからない。ピンイン覚えられるかもはやくじけそう。英語とスペイン語は楽しい。さて、手を広げすぎた感もあるがいつまで続くか。はたして。
時間だけはあるので
あとしばらくは時間だけはある。
今まで、時間に追われてばたばたする生活が続いていたので、こんなにのんびり過ごしていいのかと少々とまどったりもする。家事をしたり昼寝したり本を読んだり音楽を聴いたり・・・病気でなければ天国である。
最近読んだ本、と言っても漫画だけど。大学病院にかかるので、知識を仕入れておこうと(いや、そんな目的意識をもってではないが)。
面白かった! 病院に行くたび、研修医の先生はどれかなあなんて名札をちょっと気にしたりしている。そういえば、昨日「student doctor」と書かれた名札の女医さんに点滴の流れ具合を調節してもらったけど、あの方がそうなのかしら?
まだまだスタートもしていません。闘病記とはまったく言えません。
何か情報を求めていらした方、参考にならずごめんなさい。
CTスキャンとバリウム検査
今日は検査の日。朝いちばんと早い時間を指定されていたので、久しぶりに夫より早く家を出た。
まずはCTの方から。すでに5,6人の人が受付前のベンチで待機中。ほどなくして名前を呼ばれて処置室へ。事前に点滴の針を入れる。これが痛かった!私は気が弱いので注射の針を入れるところを正視できない。ちらっと横目で見ると、ああ太い針(泣)・・・。もっとも針が収まった後は徐々に痛みは引いて違和感だけになった。
点滴を引っ張ってまた待合で待つ。すぐにまた名前を呼ばれて検査室の中へ。巨大な機械。横になってしばし待つ。「体が熱くなりますが、大丈夫ですからね」と若い検査技師さん。短いトンネルのような機械が移動してきておなかのあたりに。ふと眼を上げると呼吸する動作の絵文字(表示)が、技師さんの指示に合わせて息を吸ったり吐いたり。CTで体内が熱くなる、というのは事前の説明書にも書いてあったし、ネットで調べてもそのように出てくる。が、いつまでたってもそんな感じはしてこない。・・・と、思ったら突然、食道から尿道(露骨ですみません)のあたりまで体の内部がカッと熱くなってきた。これか!なんとも言いようのない不快な感じ。うわあ嫌だ、と思う間もなくその感覚は収まって、「はい、お疲れ様でした」と検査は終了した。また点滴をがらがらと引いて処置室へ。針を抜いてもらってテープで止血してここは終わり。
次のバリウム検査まで2時間もある。何していよう。まさかお茶を飲むわけにもいかないし。仕方がないので、受付ロビーの空いている椅子を探して、kindle にダウンロードした本を読んでいた。もうずうっと昔、大学生の頃に課題として読んだ本である。なかなか読みごたえあり。こんな内容だったっけ。時代が違うとはいえ結構ハードだ。イラストが今風で可愛いけど。
話をもどしまして。
集中して読んでいたら、もう検査の15分前。X線の検査室に移動する。バリウムを飲むのは何度も経験があるけれど、やっぱり好きではない。ただ、今日のバリウムはあっさり系と言うか、それほど飲みにくくはなかった。時間をかけてずいぶん丁寧に調べられた。仰向け、斜め、何度も回転させられてバリウムを胃壁に張り付けて検査。
そういえば検査技師さんが気になること言っていた。
(何度も回転させるのは)「病変が細かくて(よく見るためですよ)」。
え?それなに? まだすべての診断が出ていないんだから、気になることぽろっと言わないで~。患者はデリケートなんだから。気にしない気にしない・・・
私の気持ちはともかく、検査は順調に済んでお会計。本日は約12,000円也。やっぱりお金がかかります。がん保険の申請、いつしよう。手術終わって退院してからかしら。
朝食抜きでおなかが減っているようなので(実はこの頃、おなかすいた!というきれいな空腹感があまりない。病気のせいか、はたまた不安によるストレスか)、病院のティールームでパンとコーヒー。カフェイン入りだけどかまうものか。
本屋さんに寄って、4月からのNHKラジオ語学講座のテキストを買って帰宅。英会話、スペイン語、中国語。話せますかって?いいえ。初歩の英会話のみ。
治ったら旅に行くの!そのくらいの目標で気持ちをあげて行かなくちゃ。どうせしばらくはひまがあるしね。(語学講座はたして何月まで続くか?)
闘病記を読む
今は検査(CTスキャンとバリウム)前の待機期間のようなもので、時間がたっぷりある。
朝、家事をひととおり(雑に)終えたあとは、パソコンに向かっている。胃がんの情報や闘病記、あとは同年代のひとのブログなどあちらこちら読んでいる。
情報は時に両刃の刃となる。おおむね楽天的に考えている私だけれど、厳しい闘病をされている方のブログを読むと、やはり私もこういう段階を踏んでいくのだろうかと不安になってくる。たまたまかもしれないが、私が読んだ闘病記のブロガーさんはほとんど何の自覚症状もなかったのに、健康診断などで偶然見つかったというケースが多い。病はひとそれぞれ、わかってはいるけれど不安はぬぐえない。
・・・考えていても仕方ない。想像してるだけでは何もできない。ふう・・・
一日曇っていた空に夕日がさしてきた。気持ちを切り替えて夕食の買い物に行こう。
明日はCTスキャンの検査の日。結果説明はさらに一週間後。落ち着かない日が続く。
平穏な一日
昨日は朝、まさかの雪模様。雪がやんでも冷たい雨が降っていた。
今日は朝から晴れ。リビングの遮光カーテンを開けるとぱっと明るくなる。晴れると気持ちも上向く。我ながら単純だなあと思うけれど、朝のすっきりした日の光を浴びるとやっぱり気持ちがいい。
こんな時間を持てるようになるとは。普段は通勤のため5時半起きで、夫より早く家を出て、残業すると夫より帰宅が遅くなることもままある。
夫を送り出し、朝日のあたるリビングでゆっくりコーヒーを飲む、時間に追われないそんな暮らしが憧れだったのだけど、それが実現したのが病気のせいだとは皮肉なものだ。
ともあれ、すべての検査が終わり正式に手術日が決まるまでは、体調管理・体力温存のため有給休暇を消化してのんびりとしている。人手が足りないので、その分会社には迷惑をかけているのだけど。有給を使い切ったら休職。傷病手当で給料は6割支給とのこと。共働きとはいえ、生活が楽なわけではないので、収入減は痛い。いっそう引き締めていかなくては。楽天的な私は家計に関してもわりとのんきにしてしまうので、いまこそ反省の時だ。
ただ、これからかかるであろう高額な医療費については、がん保険に入っていたので、当面なんとかなりそうだ。社会保険の方も、限度額認定申請をしてあるし。
【ブログのこと】
「にほんブログ村」に登録してみたら、思いのほか訪れてくださる方がいてびっくりしました。お立ち寄りありがとうございます。
「胃がん」で検索してくださった方には情報がなくてごめんなさい。まだまだこれからです。
こちらからもいろいろな方のブログ(胃がんだけでなく)を読んでいます。共感したり、驚いたり、なるほどと思ったり、考えさせられたり。更新が待ち遠しかったりします。ちょっと世界が広がったような気持ちでいるこの頃です。
診断後の気持ち
いろいろな方の闘病記、また癌にまつわるブログを読むと、がんだと診断された時の心持は、当然のことながらひとそれぞれだ。
頭が真っ白になった、手足が震えてまともに話を聞けなくなった、冷静に受け止めた・・・私はと言えば、かかりつけ医の先生に電話であっさりと言われたものだから、普通に「はい、そうなんですね」と受け答えしてしまって、後になって考えれば妙に冷静だったように思う。夫にはすぐに lineで知らせたけれど、帰宅した時に改めて話したときにはさすがに平気ではいられなかった。
今の状態は最初の胃潰瘍が治ってきたらしく痛みもなければむかつきもない。ほぼいつもどおり元気なので(以前よりやや食欲がなくなった・・・もともとくいしんぼうなのでその点はどうかな)どこが病気なの?と思うくらい。気持ちももはや平静だ。悪い方に考え始めるときりがないので、あえて考えない。楽天的な性格が幸いしているのかもしれない。
ネットでがんについて調べたり、ブログを読んだり、本を読んだり、(漫画を読んだり、)普通に家事をしたり、ちゃんとご飯を作ったりしている。我が家はずっと共働きで、ここ数年は子供たちがみんな独立して二人暮らしなので、残業で遅くなるとお弁当だったり、お惣菜を買ってきたりしていたけれど、時間のある今はきちんと夕食を作っている。おかげでおかずが一品多くなり、量が多くて太ってきた、と夫からクレームがついたり(笑) あとはただひとつ、お酒が飲めないことがツライなあ、なんて。
開腹はいやだなあ。10年前に子宮筋腫で開腹しているから痛いのはわかっている。あの時はつらかった。ずっと微熱がつづいたし。10年経っての医療の進歩に期待しよう。あまり痛みが続きませんように。
ときどき思うのは、ああこちら側に来てしまったなあということ。がんを患っている側に。多くの人は、毎日生まれているというがん細胞をちゃんとやっつけて健康でいるのに、私は失敗したんだなあ、と。煙草も吸わないし、お酒だって適量しか飲まないし、食生活も気をつけていたのにね。・・・繰り言ですね。今は腹を決めて闘うしかない。ガンバルヨ。(闘うな、という本もあるけれど、今はそういう段階ではないと思っているので)